非接触温度計 河之舟(Hezhizhou) HT-668


機種選定

非接触温度計HT-668(非接触式紅外人体測温儀 泌洋(MIYANG))を買いました。この機種にした理由は、単にデザインが気に入ったのと、温度計モードで広範囲な測定が可能ということと、体温計モードでの体温近辺で誤差が低くなるようにレンジが切り替えられるためです。(surfaceモードよりbodyモードのほうが体温付近で正確に測れる、というか前者ではかなり誤差が出る)。特にセンサ類を専門にしている会社ではないようです。例によって中国製は壊れる前提で修理時のバックアップのため2個買いました。発注した4月当時は、1個$20程度で割とお買い得感があったのですが、Aliexpress standard shipping(アリスタたん、世界旅行と寄り道が大好きな女の子。到着するまでに怪我だらけになっている。)のシンガポール経由に当たって、2ヶ月間待って届きました。中身は何とか無事でした。が、その間に値崩れしてもっと安いのもいっぱい出てきていたので、もし今これを選ぶとしたら、人柱がいるから、という理由になるんでしょうか。安くなったので追加でぽちったところ、簡体字中国語バージョンがきました。取扱説明書は英語版より充実しているようですが・・・。

使い方

測定

測定したい面の垂直方向5-10cmで引き金を引けとあります。髪はどけて汗とか化粧は拭けとあります。国内で売られている他の機種ではコメカミを測って舌下温度に勝手に補正してくれるのもあるようですが、測るたびにかなり温度が変わるというレビューがついていました。

電池

ロット違いで、硬くてあけるのに非常に苦労するものがあります。電池がプラス極もばねになってどっちをプラスにするか迷うのですが、下の分解した写真の赤線がつながってるほうがプラスになるように入れます。分解すると、内側にプラスマイナスの表示がありますw。蓋にプラスマイナスの記号があり、表示にあう極が蓋側(手前側)にくるように入れます。ちなみに3V無いと駄目のようで、アルカリ電池だと動き、ニッケル水素電池では動きませんでした。電池を入れる向き

測定レンジ切り替え

長いボタン(surface/bodyか体温/体表)を押してbody(体温)にしたら34.8℃〜42.4℃の体温モードで35.1〜39.5℃で±0.2℃、それ以外で±0.3℃と書いてあります。surface(表面)にしたら0-100℃、室温付近で比較的正確(温度計を測ると大体同じ温度が返ってくる)で体温付近では3度程度は低めの温度が帰って来ます。冷蔵庫の中のものはエラーで測れませんでした。後述します。

設定変更

電源がONの最中に設置またはsetボタンを3秒長押しで設定モードに入ります。押す回数で設定項目が変わりF1〜F5となります。F1は摂氏温度(℃)、華氏温度(F)、F2はアラームのなる温度(工場出荷時38.0℃らしい)、F3が温度補正、F4がアラームのON/OFF、F5が言語設定(中国語/英語)の変更。

いきなりLoやHiになって測れなくなる

最初買った2個ともしばらく使っていたら案の定故障して、HiとかLoになりデタラメな温度が出るようになって、測れなくなって手を入れています。結論から言うと、内部配線のコネクタがイマイチのようで、カチカチやってるうちに浮いてセンサとの間で接触不良を起こしたかで、分解してきっちり押し込むと直ります。画像のように二箇所ねじで止まっているのと、センサ周囲の紫色のプラスチックが爪になってて結合しているので、ねじを外して携帯電話の分解等に使うプラスチックのピックで電池を入れるところから分解していきます。後者がなかなか外れなくて鬱陶しいので、いったん組み立てて正確に測れるようになったのを確認したうえで一番最後にはめるのが良いです。ハードウェア的なトラブルなので、較正とか温度補正とかソフトウェアの設定で直すものではないです。ちなみに6ピンのランドがあるわけですが、デバッグかロガーをつなぐ用のシリアルポートか、ファームウェアの書き込み用ポートかでしょうか。同じようなボタン配置の機種が結構あるので、おそらく元となるリファレンスデザインがあるんでしょうが。 HT668分解1 HT668分解2 HT668分解3 HT668分解4 HT668分解5

測定箇所によって体温が異なる値を示す

これは当たり前の話で、腋の下、舌下、肛門、額、コメカミ等でそもそも1℃程度は温度が違うので「深部体温」等で調べたらよいです。なお、赤外線を測ってるので、説明書の通りで、髪の毛等で遮られると正確に測定できません。毛をそらないと腋の下はまともな温度ででないんではないでしょうか。ごみが入ったりセンサが汚れると正確に測れなくなるので使っていないときはラップか何かで保護しておくのが良いと思われます。

正確さ、精密さ

特にsurfaceモードの正確さに個体差があり、室温付近で大体0.2℃〜1度弱の民生品相応の誤差が出ます(どちらが真値かという話)。室温からずれると体温付近でも割と3-4℃は低めの温度が表示されます。センサとしては動作しているようですが、温度既知のものを測るなどによって表示値と実際の温度の換算表を求める必要がありそうです。他の非接触体温計で何度以上は出ない(高熱なのに平熱で返す)とか言うのが一時期問題になっていましたが、bodyモードで電球とかを通電して暖めて切ってから測ると相応の温度で出るので、体温計として一応使えているようです。普通の電子体温計で舌下の体温と比べながら測っていますが、額の温度変化は控えめですね。しかし、メインで使う体温付近では温度既知の物体を数点測っておくのが無難でしょう。お湯と水を混ぜて温度計を挿しながら測っていくと言う方法を考えましたが、湿気で正確に測れないかもしれません。油のほうがいいかも。