PC-9821V7/S7KA(G8UYC)の改造


V7購入のいきさつ

こいつはテスト機としてYahoo! オークションで購入したものです。初代バリュースターですね。買った動機について書きますと、玄人志向のサイトに「I WANT! BBS」という、新製品開発希望の掲示板があるのですが、インターフェースの項目中に「98対応ATA100または133」というツリーが第15ページの半分以上を占めるに至っています。元々はChanpon2はPC-9821対応品として新規に開発する予定であったようですが、台湾のAVLABというメーカーがこれに近いものをすでに発売しており、OEM供給を受けてそのまま発売し、98対応BIOSの話はずるずると流れていっていたわけです。あ、これはだめだなと思い、自分で途中まで書いて、誰かやる気のある人にバトンタッチしようかなと思い立ったわけです(中途半端)。しかしまあ、ここまで書けば後は自分でやりたくなるもんです(苦笑)。で、メインマシンで怪しいものを動かす訳にいきませんので、テスト機が要るということになり、PCI搭載機でリセットスイッチのあるものを購入したわけです。

マザーボード(G8UYC)の素性

本体PC-9821V7/S7KA
PCIチップセットVLSI 82C594(Wildcat)
GACirrus Logic GD5440 VRAM1MB
PCIスロット1本+1本(ランドのみ)
Cバススロット2本
音源Crystal CS4231

V7ということで、PCIスロット1本で430FX-60MHz版を積んだG8VLJを引く可能性もあったわけですが、「Pentium200MHzを積んである」ということでG8UYCの可能性が高いと踏みました。なぜなら倍率設定のピンが430FX機では1.5倍と2.0倍しか存在しないため、下駄もしくは半田作業が必須となるからです。予想通り、実際G8UYCであったのですが、G8UYCというマザーの素性に付いて触れておきますと、山猫の愛称であまりにも有名なVLSI Wildcat(82C594)をPCIチップセットとして採用しており、GAはVLバス接続のGD5440(Cirrus Logic)という32BITグラフィックアクセラレータを使っています。ちなみに、V7が私の初めて入手した山猫機でした。CL-GD5440は、現在ではなんと言うかおまけと考えるべきか・・・。mate-Xなマシンに搭載された64BITアクセラレータであるTGUI9680(Trident)でさえX-mate中位機種や3代目A-mateあたりロットのVision864(S3)に比べぼろくその評価ですからねえ。さしづめ、山猫なmate-Xのマザーの廉価版と言ったところでしょうか。差別化のためか、はたまたえげつないコスト削減のためか、PCIスロットとCバススロットが各一本ずつ空きランドがあります。特筆すべき点はベースクロック66MHzでPCI二本とも使ってもこけた報告を見た事が無い点です。あたりロットの誉れ高く、割合出来の良いマザーだと思います。

PCIスロット及びCバススロットを植える

V7を斜め後方から見た写真  空きランドがあって、お膳立ての済んでいるものを増設とは言えないと思いますので、スロットを「植える」と言う表現をしました。半田付けは、経験がある方ならまあ、大丈夫かと思いますが、スルーホールから半田を抜く方は大変です。(^^;;。静電気が一番怖いので、水道管とかをしっかり握り締めて放電してから、静電気がたまらないように素っ裸で作業しました。股にはさんで、右手で半田ごて、左手に半田吸い取り器(すっぽん?ずっぽん?)を持って、一穴ずつ抜いていきます(ばか)。あ、もちろん汗がつくと錆びるので、夏場は推奨しません。1階にお住まいの方はカーテンを閉めておいたほうが得策です(まだいうか)。
 Cバススロットの増設は10ピンごとにあるGND線の半田がなかなかしぶといです。せっかくマザーボードを取り外したので、ついでに倍率設定のジャンパポスト(Cバス籠の真下)とか植えられるだけ植えておけば後々便利だと思います。多分使わないと思いますが、リセットスイッチのそばの空きランドがCPUファンの電源です。右にあるのがATA133RAIDPCI(玄人志向)、内側がGF4M440SE-LP64V(玄人志向)です。

おまけ(ATA133RAIDPCIのテスト向け改造)

39SF010への配線  開発だって言っているので、おまけにATA133RAID-PCI(玄人志向)の改造例です。FLASH-ROMはSSTの39SF010が使われていました。チップイネーブルを操作するためのスイッチを外に引き出してきています。これで起動時にROMを眠らせたり、起動後にROMを書きこめるようにしたりするわけです。図はROMを眠らせる方法の一例です。

実装図暴露話をすると最初からこうする予定で買ったのならまだ賢いのですが、実は買ってきたその日にどうしようもないBIOSを書きこんでしまい、98でもPC/AT互換機でも起動できなくなってしまったのでした(いや〜ん)。アイススラッガーにしてしまおうかと思いましたが、敷金のことに思いを馳せると壁に投げる気にもなりません。冷静になって上記のような改造法を思いついたわけです。
 この場合たまたまBIOS書き換えプログラムが98でも動作したうえ、内容を全くチェックしないので、ROM-WRITERも必要ありませんし、なんにも抜き差しせず、リセットスイッチと、ボードから引き出してきたトグルスイッチの操作だけで一日に何十回となく書き換えてテストできる環境を組み上げることができました。FLASH-ROMの限界まで使うことはおそらくないでしょう。

SiI680 非公式 PC-9821BIOSのBig Driveへの対応

UIDE-133/98-Aが何枚購入になったらBIG-DRIVEに対応するというので、そうか、BIG-DRIVEでも9821で動くんだと驚きました。このときはまだUIDEは手元に来てなかったのですが、じゃあこっちもというのでやってみました(意外に簡単で1日で出来た(汗))。んですが、V200にインストールしようとしたところ、Windows2000はフォーマットが100%になった後で「フォーマットが完了できませんでした云々」というエラーメッセージが出て泣く泣く退散。IPLのパーティションテーブルなどがぐちゃぐちゃになっているみたい。ただし、やり直すとうまく行きました。このフォーマッタはたまに挙動がおかしいみたいで(^^;。同じドライブで30GBで切って見るときちんとインストールできるみたい。全容量でも行けました。そのついでにいろいろとWindows2000でははまったのですが、インストール完了後、ベンチとって見ました。

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.30  (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name    PC-9821V200/S7C3(青札デスクトップ)
Processor   Pentium(MMX) 199.69MHz[GenuineIntel family 5 model 4 step 3]
VideoCard   Matrox Graphics Mystique
Resolution  1024x768 (16Bit color)
Memory      129,596 KByte
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195)
Date        2003/09/03  03:19

Silicon Image SiI 0680 ATA/133 Controller
  Maxtor 6Y160P0          YAR4

NEC PC-9800 IDE/ATAPI コントローラ
  NEC CD-ROM DRIVE:286

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
 22906     7283    5503     4351    5321     5919           4

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
     9348   6732    1979      30   55799   56633   10883  C:\1000MB

なんだ、速いじゃん(汗)。V7(山猫)で測ったときの倍近いのねぇ。多分HDDの転送速度で頭打ちになっているんじゃないでしょうか(PCIチップセットがHDDの能力を生かしきれない山猫って一体・・・(滝汗))。ちなみに1GBもやっているのは、8MB(HDDのバッファの容量と一緒)にしたときにREAD:19000/WRITE:81000とか出たので、ドライバが遅延書き込み/読みこみとか妙なことをしていると判断したためです。

CHANPON2'TURBO-PCI不動

G8UYCって比較的素行のよい山猫機なので、PCI-PCIブリッヂのあるCHANPON2'TURBO-PCIを挿してみました。Windows2000はブルースクリーン、Windows98ではCD-ROMを読みに行くとハングアップ(汗)。やっぱりだめなんですね。残念(T_T)。あ、でもG8XJNとかではCHANPON-ZERO動作報告もあるので山猫でも後期型なら動く可能性は残されています。

現状は・・・

始めはぶち壊すくらい手荒に使って勉強しようと思っていたのですが、色々手を加えていると愛着が出てきて困りますね(^-^)。手荒に扱ってもまあ、壊れないものですし。例えが悪いですが、長いこと飼ってる実験動物みたいな。ちなみに当方はその後V13/S5D3も入手しまして、これはG8UYCの改良版らしいG8XJNをマザーとしています。以前まりもさんが公開されていたG8VAZとG8XYHの比較のように、G8XJNでは子猫チップ(二枚あるメモリコントローラのこと)の周りやPCIスロット近傍に集合抵抗が追加されており、また、82C594の#31ピン周りの変更がなされています。だから、おそらくベースクロックを上げたときなどにG8UYCよりハードウェア的に優れている点が確認できるかと思います。ついでに言うと、PCIスロットが最初から植えてある場合が多いぽいです。でもまあ、色々弄ってきたV7の方が愛着があって、テスト機として弄くり回しています。

余談ですがUIDE-133/98Aを挿してみました。余所で聞くようにWindows98セットアップ途中でこけました(汗)。山猫機ではTGUI9680搭載機の死屍累々たる状況に比べ、CL-GD5440搭載のG8UYCやG8XJNではそれまでのUIDE系でそれほど不具合報告を聞かないので、何なんでしょうね。XJNなんかでは隠しスロットは(筐体に穴が無いから)UIDE御用達のような言われ方もされているくらいですしねえ。