Xa10/C8(G8TTY)の処理


G8TTYとは

Xa10/C8を拾ってきました。ガワ開けられていて、マザーも見えてるのに拾ってきました。初期ロットの誉れ高く、恐れ多いG8TTYれす。何がうっとしいって、列挙しますと

  1. PCIスロットにバグがある。
  2. 50MHz以外のベースクロックではメモリ&2NDキャッシュのパリティを要求する。
  3. CPU倍率設定のピンが無い(常にBF0 BF1ともノンコネ->内部でプルアップ 1.5倍設定のみ)
  4. 基板を弄って高クロック版のPentiumを載せるとFDD動作に支障が出る。
  5. 電源が弱いもののことが多い
  6. 山猫(汗)

まあ、うっとうしいわけですが。まったくもって独創の無い改造ですが、以下のように弄ってやります。弄くる場所が決まっているので、一回基板を外したときに突貫工事します。ちなみに気になるマシン名は"ECLAIR"です。

パリティ無しメモリの増設

 2.に付いてはPCIスロットの増設など、ハードウェアに非常に強いAtoGさんのサイトで解決法が示されています。噛み砕いて言うと、本体を正面から見たときに、ベースクロック設定のピンがCPU右側にあるのですが、こいつはPLL-ICであるSC-464AYBだけでなく、本体右奥のPCI-CバスブリッヂであるGHOST7にもつながっていて、どうやらソフトウェア的に現在のピンの設定が読み取れるようになっているらしい。そして、これを基準にBIOSがパリティを要求するかどうか決定する、ということのようです。GHOST7内でプルアップされているかどうかは本来賭けだと思うのですが、パターンカットによってパリティの要求は解消できます。

PCIバスマスタ動作の正常化

以下で述べるように82C594(山猫)を搭載し、Trident TGUI9680をGAとして採用した基板は息が長く、いくつかの基板が存在することが知られています。その中でも際立って重要な回路変更があります。それは1.についてで、まりもさんが以前のページで公開されていた情報なのですが、G8VAZという基板にはCPUのBREQを82C594から切り離し、82C594の#31と#30をショートしてやることで、データ転送中のCPUによるバスの要求を無視するように処理してある場合があるということです。私が別のときに拾ったXa16が恐らくその一部ロットにあたるらしく、G8VAZがVSUのBIOSを載せてました。本来はXa16はG8VSUやG8VWVが主に採用されているマシンなので、ひと世代前のG8VAZが載っていると損した気分を味わえます(NECマジック?)。さて、それと同じ処理をG8TTYにもしてやるわけです。その場合はパターンカットは楽ですが、ショートさせる方は一苦労しました。40Wの奴でピッとくっつけてやりましたが。手元に細くて小電力の半田ごてが無いもんで(^^;;;。

CPUの倍率設定

3.についてはPentiumのデータシートを取ってきます。Pentium200以上を乗せる機会はあっても、下げる機会は無いでしょうから、3倍に倍率を固定します。私はソケット裏から配線しました。

FDDの動作改善

4.については、はじめ電源のせいか?それとも本当に故障か?と悩んだのですが、どるこむの過去ログで引っかかったもので、何かCバスに挿しておけば良いとのこと。なんのこっちゃと思いながら適当なSCSIボードを挿してやると、きちんとFDを読みにいくではありませんか。非PnPでリソースをROMアドレスしか要求しないMistressボードを挿してみました。これでも大丈夫でした。

考察

多分BIOSがPentium75/90/100MHzに向けてチューンした作りになっているか何かで、FDDの動作不良が出るというのは、一回大丈夫ならずっと問題なしというのは、恐らくFDCの初期化に関わるところで不具合が出ているのでしょう。なんと言うか、多分FDCの準備が出来るまでの時間稼ぎが必要なのでしょうかねえ。
 パリティ要求解除はBIOSを騙すという動作原理に基づきます。このとき、諸々のタイミングなどはベースクロック50MHzを前提として定めるはずで、余裕を見越してかなり速い設定になっているものと思われます。とすると、たとえば山猫チップの設定も変わることが想定されるはずで、50MHz時と66MHz時の比較で何かがわかるかもしれません。また、後発のマシンでもGHOST7(W)にベースクロックの設定ピンがつながっているとすれば、66MHz時に余計なマージンを付加しているかもしれないので、パターンカットにより動作が機敏になるかもしれません。(もちろん問題の起こる可能性もありますが)