PC-9821Xp/C8Wのパワーアップ歴


前メインマシン

表題のPC-9821Xp/C8Wが初めて自分の買ったパソコンであり、一番長い間私のメインマシンでありました。そして沢山のDOSゲーをクリアしてきた機種です(ぉ。B-mateのコンセプトを継承した、初代X-mateです(山猫以降はmate-Xというみたいですが)。元々は友人から中古で購入し、そのときにはすでにCPUはAm5x86-P75を搭載したPK-586Aが載っており、安定性を欠く原因となる2nd Cacheは抜き取られていました。Xpは初期状態でCPUにi486DX4-100MHzを搭載しており、i486DX2-66MHz搭載のXsと兄弟機の兄貴分に当たります。CD-ROM搭載版であるXs/C8Wはかなり人気のあった機種だと聞いています。CPUを換えて2nd Cacheを抜いたらどこが違うんだろう(^^;;。CPUソケットだけ?XpはAp3と同じく、世にも珍しいSOCKET6マシンなんですよね。ちなみにもひとつ上位機種のXnはSIMM1枚単位で増設のPentium機で、これまた珍しいわけですが。
メモリは購入時にすでに36MB載っていました。Windows95ではまあ良いとして、Windows98では色々効果を切ったりしてもかなり重かったです。あと、IFN-SCというバスマスタのSCSIボードと外付けの2GBのHDDも追加で売ってもらいました。
 最初に増設したのは勿論86音源です。だってゲームがしたかったもんで。FM音源とローカルバスの扱いが高級機であるA-mateに比べて大きな価値の差をつけているわけです。86音源はXpを売ってもらった友達と一緒に日本橋に買いに行ったときに、(ジャンクで無い)中古で一回不動品をつかまされた苦い思い出があります。動かない原因が自分の技量か故障か分からないころでしたから結局返品も出来ませんでした。その後改めて入手したボードの方は快調に動作し、現在Xv20/W30に挿しています。

メモリの増設

あるとき、16MBのSIMMが一枚流れ込んできました。はじめてガワを空けるまで、どう言う構成で36MBなんだろうと思っていたんですが、4+16+16でしたので、入れ替えて48MB。 32MBのEDO-DRAMが手に入ったことがあって、じゅんけさんのページで動作不良になるということを読んでいましたが、とりあえずやってみました。Windowsを立ち上げるとカラフルな画面が・・・。正常終了も出来ないようです。どうもよそで聞く話によると、Xpあたりの機種ではデータ入出力の切り替わりをVision864が使っているから、FPで無いと受け付けないという言うような話だったような。Xv移行後、SIMMがやたら手に入るようになり、その後はあれよあれよと言う間に32MBのSIMMが2枚流れ込んできて、計80MBになってしまいました。なんだかなぁ。

Vision864

オンボードのVision864はmate-ローカルバス接続で、VRAMを2MB積んでいます。ドライバもNECの作った中でも非常に出来の良い部類に入るらしく、CバスのGAなんぞわざわざ買ってまで入れる気がしませんでしたのでこのまんまです。よそでもあまりにも有名な話ですが、Vision864搭載機のGA周りは個体によるばらつきが大きく、そのためか知りませんが1024x756 16bitカラー表示は隠し設定となっています。自慢しますとうちのは問題無く、非常にコントラストの強いきれいな画質でした。

ストレージ機器の増設

専用インターフェース(ATA)

Xpの内部 Xpではプライマリ、セカンダリの2系統があり、それぞれについてBIOSはHDDについてシングル・マスター接続のみをサポートしています。HDDは最後期の機種を除く、多くの後継マシンに脈々と受け継がれる4.3GB容量壁(セクタ17*ヘッド8*シリンダ65535*512バイト/セクタ)があります。2000年ころに亀のように頑丈なCONNERの340MBのドライブとWestern Digitalの1.6GBのドライブとを入れ替えました。Western Digitalのドライブは随分早かったと感動した記憶があります。それ以来私はWestern Digitalがお気に入りです。ちなみに486機、とりわけX-mateやA-mate3代目のCバスはPCIバス搭載機のCバスより速く、したがってCバス配下にある内蔵IDEが非常に速いです。

せっかく速いのだから、有効活用しようということに気が向きます。全部埋めてしまえ、と(爆)。ただ、HDDのスレーブ接続は前述したように、BIOSが対応しておらず、それを引き継ぐWindowsでも見えません。したがって、それ相応の使い方が必要になります。私はプライマリ・マスタに2GBのHDDを繋いでFreeBSDを入れて、プライマリ・スレーブにそのデータ領域、セカンダリ・マスタにWindowsやDOSを入れてSCSI-HDDにはそのデータ領域、セカンダリ・スレーブにはCD-ROMドライブというような使い方をしてきました。CD-ROMは純正のCD-60R以外の多分どのドライブでも起動時に確実に1分以上待たされるという仕様です。CD-60Rはスレーブ接続だといわれています。しかし、マスターにHDDを繋げて共存できない悲しい仕様です。それ以外の一般のCD-ROMドライブをスレーブに繋げばNECCD?.SYS経由でDOSでは使えないのですが、WindowsやFreeBSDでは使え、起動時に待たされる現象が無くなります。

IF-2769(SCSI)

IFN-SCの動作の遅さ(リサイクル掲示板でKAZZEZさん、エマティさんにご指摘を頂いたように、IFN-SCはWindows95以降では55ドライバを流用するのみですので。)とデバイススキャンの長さに辟易していたころに、CバスSCSIボード最速のひとつに数えられるIF-2769(ICM)をジャンクで入手することが出来ました。HDDに関しては、IFN-SC接続の2GBのSCSI-HDDが遅かった(SCSI-HDDの中身がNEC純正のドライブだったもんで)ので、Xv移行時に全て吸い出して売却。4.3GBのQuantumのドライブをこれに付けたのですが、二台立て続けにいかれましてえらい目にあいました。最終的には、何かいろいろと不要になったHDDをくれた先輩のおかげで、下記のとおりで落ち着きました。

FDD

背に腹は換えられないということで、FDDのパネルを外してFD-1138Dを2台目に追加し、かわいそうな状態で使っていました。

Xpの現状

放置プレイ中(汗)。愛着のあるものなので、捨てたり人にあげたりするわけにもいかず、棚に飾ってあるだけです。なお、マシン名はXv20/W30の入ってきたときに"JULIA"としました。

Windows2000をインストールしてみた(汗)

「リサイクル掲示板」でPCI非搭載機、例えばCfなどにWindows2000は入るかというような話題があったので、やってみました。最初はセカンダリ・マスタのHDDを4.3GBのものに入れ替え,FDDを読みこませてやります。4枚目が読みこみ終わった時点でブルースクリーン(汗)。カーネルがこけたとか云々。もう一度してみると同じ所でこけました。まあ、特殊な環境ですので、まず、プライマリのHDDを2台とも撤去します。すると、ブルースクリーンにはならないのですが、フォーマット時にこのHDDには書き込みできない云々。仕方ないので,セカンダリマスタからプライマリマスタにHDDを移動。これでHDDに関してはデフォルトと変わらない配置になったわけです。すると順調にインストールが進み,約3時間でインストール完了しました。めでたしめでたし。

ベンチはこんな感じです

 ★ ★ ★  HDBENCH Ver 3.30  (C)EP82改/かず ★ ★ ★ 
M/B Name    PC-9821Xp/C8W
Processor   Am5x86/WB/4x [AuthenticAMD family 4 model F step 4]  
VideoCard   PEGC
Resolution  640x480 (8Bit color)  
Memory      80,444 KByte  
OS          Windows 2000 5.0 (Build: 2195)   
Date        2003/09/28  13:46  

NEC PC-9800 IDE/ATAPI コントローラ
  ST34342A
  NEC CD-ROM DRIVE:282

   ALL  Integer   Float  MemoryR MemoryW MemoryRW  DirectDraw
  2020     3228    1704     1632    2501     1409           2

Rectangle   Text Ellipse  BitBlt    Read   Write    Copy  Drive
      977    935     298      48    3490    3666    1046  C:\100MB

DDが0でないのがびっくりしました。しかし、Vision864も使えない環境では流石に厳しいですね。HDDでトラブった原因ですが、Windows2000のドライバが後の世のスレーブ接続をサポートするマシンと同じようにHDDを検出すると考えると、BIOSの把握しているHDD数と齟齬をきたしてまずかったんでしょうかねえ。PentiumなPODP5V83やPentium互換なCx5x86とは違い,Am5x86は4倍速486なので、インストールには486命令が通れば十分なのでしょうねえ。次は誰か386マシンでして見ませんか?(ぉぃぉぃ

装備の変遷

こんな感じです。

項目標準入手時メインマシン時現在
CPUi486DX4-100MHzPK-586A(I-O DATA)PK-586A(I-O DATA)PK-586A(I-O DATA)
2ndCache256KB0KB0KB0KB
RAM8MB36MB48MB80MB
Cバススロット#1(空き)IFN-SC(メルコ)IF-2769(ICM)IF-2769
Cバススロット#2(空き)(空き)PC-9801-86(NEC)(空き)
Cバススロット#3(空き)(空き)LAPC-N(Roland)(空き)
ストレージ機器 3.5'FDDx1
340MB HDD(IDE)
倍速CD-ROMドライブ
3.5'FDDx1
340MB HDD(IDE)
倍速CD-ROMドライブ
2GB HDD(SCSI)
3.5'FDDx2
2GB HDD(IDE)
1.6GB HDD(IDE)
16倍速CD-ROMドライブ(ATAPI)
2GB HDD(SCSI)
3.5'FDDx2
2GB HDD(IDE)
1.6GB HDD(IDE)
1.6GB HDD(IDE)
16倍速CD-ROMドライブ(ATAPI)
2GB HDD(SCSI)

注釈とうんちく

86音源
うんちくたれますと、86音源とはPC-9801-86(NEC)を指し、PC-9800シリーズのDOSゲーの標準的地位を獲得していた音源でして、86音源またはその互換音源はmate-X PCM搭載機種を使用しているDOSゲーマー必須のアイテムです。YM2203(YAMAHA)を積んだ26K音源上位機種としてYM2608とDSPを積んだ73音源というのがあり、ある意味その廉価機種として発売された代物です。A-MATEの音源部を切り出したみたいないい方もされています。FM部とPCM部両方がこれの上位互換というとQvisionの製品くらいですかね。86音源の後継としてPC-9801-118がありますがFM部はYMF724(YAMAHA)で、工夫すればDOSでもFM音源として鳴るようなのですが、PCM部はCS4231でMATE-X PCMと同等品ですので、DOSでPCMを使う場合は鳴らないということです。あと、電力を結構食うらしいということですが、私は別段外から電源を供給したりはしていないです。
セカンダリ
PC-9800シリーズではNECはIDEコネクタを専用インターフェースと呼んでいます。AT互換機にあるような独立したチャンネルとして存在するのではなく、ひとつのチャンネルを切り替えて使っています。ただし、実現しようとしていたものはほぼ同じです。まあ、バスマスタしないからあれでもいいんでしょうが(皮肉)。あと、マスターとかスレーブというのはATA側の規格ですので、BIOSさえ対応すればスレーブ接続はもちろん、48bit LBAだって可能なはずです。スレーブ接続の場合は恐らくドライバが動くでしょうが(注意 デバイスドライバで誤魔化したときにMS-DOS互換モードになるのとは事情が違います。)、48bit LBAはWindows側のドライバが対応していないです。
内蔵IDEの速度
 速いといってももちろん「まし」という部類ですが。なにせPIO-MODE4の理論値でさえ16.6MB/sで、Cバスの転送速度の理論値である10MB/sを超えますし。それに手伝って初期のPCI搭載機はPCI-Cバスブリッヂが遅く、大変だったわけです。
CD-ROMドライブ
 そういえばMITSUMI製のドライブがPC-9800シリーズでは相性が悪く使えないとよく言われますが、G8VERでは原因ぽいところがあります。要はIDE-BIOSの作りの問題で、せっかくATAとATAPIデバイスとは分けて接続を検出しているようなのに、ATAデバイス用のIDENTIFY DEVICE(ECh)コマンドを見境無く送るようなのです。ATAPIデバイスはIDENTIFY PACKET DEVICE(A1h)に対してドライブの緒元を返すのですが、IDENTIFY DEVICEにはコマンドの実行エラーを返す仕様です。エラーを受けるとドライブにリセットをかけて何度か再試行するわけですが、リセット自体は結構時間を食う場合がありますんで。私はわざわざ好き好んでMITSUMIのドライブを買ってきたりしませんで、手元に一台もMITSUMI製CD-ROMドライブは無いのですが、D800:2200以降にCD-ROM緒元の見えるマシン(後期のマシン)では起動阻害は無いか、あってもマイルドなんではないでしょうか?(誰か試して教えて下さ〜い)