PC-9821Xv20/W30(メインマシン)の拡張


導入のいきさつ

 2000年末になって、それまでメインマシンとして使いつづけていたPC-9821Xp/C8Wにさすがに不満を色々感じました。Windows98が重過ぎるぞ、しかもVC++6.0のコンパイルに何分かかるんだと(汗)。ていうか推奨用件を満たしてないし。そう言うときにASUS P5A-VMをマザーボードとしたAT互換機を後輩のつてで安値にて入手する機会にあい("CAROL")、しばらくメインマシンとして使っていたのですが、色々と物足りなく感じました。「K6だったら98でも載るし、Windows2000ではF&C全滅だし、互換機でWindows98を動かしたくないし」という考えが積もり積もって、割合すぐに購入したのが題名にある名機の誉れ高いXv20/W30です。マシン名として"FILLE"とつけました。

CPU換装

CPUなんと言っても拡張性の高いマシンでして、半田ごてなしでかなりの改造を加えられる素直なマシンです。CPUはHK6-MD533-N4をオークションで入手し、2.0Vに電圧を下げ、K6-IIIE+550を挿して、KANIE HEDGEHOG 294Mという割合よさげな銅製ヒートシンクとファンをつけてあります。こいつは冷却能力十分です(やかましいとも言う)。京都のうだるような真夏でもCPUの熱暴走のような目に会ったことが無いです(なぜならGA-S2K32の方が先に熱暴走するから(汗))。シリコングリスを適量塗った後にヒートシンクを張り付け、下駄ごとテグスできつく固定し、それでも緩みが残るので、割り箸を突っ込んで完全に密着させます。うちのは2.0Vでは600MHzでπ100万桁完走できませんでしたので533MHzで常用しています。背が高いヒートシンクとファンのおかげで残念なことにHDDの置き場所がひとつ無くなってしまいましたが。メルコの限定生産品であるHK6-MS600P-NV4は本来2.0Vのところに2.2Vかけてやって550MHz版のK6-III+をオーバークロックして600MHz動作に問題の無いことを検証してあるもので、付属の銅製ヒートシンクとファンは変なことをしなくてもきちんと固定できる仕様になっていると言うことなので、不安な方はこちらの方が良いと思います。k6-IIIE+ではPower NOW!を利用して周波数を弄れるソフトにK6CTLというのがあります。

ただ、k6-IIIE+に換えたためにおきる残念なこととして、BEEP音が完全におかしくなります。IOが速すぎるためということでして、一次キャッシュを切っても無駄でした。BIO_100%のゲームのサウンドが落ち着かなくなります。INTELSATでCバスのブリッヂ(star alpha2)を弄って遅くできないかなーとか思案中です。

メモリ増設

メモリはまりもさんのMEMSETUPを使い(どうもありがとうございます!)EDO-RAMを64MB増設し、デフォルトの16MB*2を32MB*2に代え、現在は128MB積んでいます。

GA変更

Xv13/W16でなくXv20/W30を買う魅力のひとつにはMilleniumがVRAMを4MB積んでいるということもあって、CPUとGAを交換してしまうと、上位機種を買った意味がわからなくなります。しかしやってしまいます(苦笑)。GA-S2K32PCIは煮ても焼いても食えないGAですね。デフォルトの設定だと遅くて仕方ないので色々安定する範囲内で設定を変えないとだめで、やりすぎて一回暴走するとWindows98が二度と立ちあがらなくなったりして。そのたびにSAFEモードで再起動してドライバ削除しないといけないんですよね。大体デフォルトの状態がオーバークロックなわけですが、その状態でそもそも遅いのが困りものな訳です。「暴走してどうしようもない」という場合はWindowsのディレクトリにgas2k.iniという名前のファイルを新規に作り、

[GAS2K]
Config3=1

という内容にすれば改善する場合があるということです。画質が良いのと98対応の最後の製品ということで我慢してます。2DはMilleniumの方がスムーズに感じます。GA-VDB16がWindows98では最速というのは知っているのですが、あまり気が向かないです。愚痴っても仕方ないんですが、9821最速のGAと最新のGAがあれかよ、という訳です。まあ、挑戦者にも新規デバイス開発に関しては見放されたようですし、もうこれで我慢するしかないんでしょうね。

Chanpon3

ボード発売のいきさつとSCSI部

Chanpon3はBIOS絡みでChanpon2ほどではないですが、物議をかもしたマルチファンクションボードです。何か非常にややこしい経緯で、フリーのBIOSが公開されています。でも現在何も繋いでいません(爆)。MOを繋ぎたいんですが、繋いでいると起動できないもので(T_T)。何か繋いであげたほうがいいとは思うのですけどもね。

サウンド(CMI8738)

当方のXv20標準装備のMATE-X PCM(CS4231 Crystal Semiconductor)はひどくノイズが載っていて、許容できないレベルでした。音が無いと寂しいけど、あるならあるでノイズでストレスがたまりまくるという。電源変えたりコンデンサ変えたりすれば直ることもあるようなのですが、忙しいのと億劫なのとでしていません(^^;。んでもって止めは、SICという86音源とMATE-X PCMを切りかえられる秀逸なソフトウェアがあるのですが、それをもってしても、共存時に不具合の出るゲームがあるのです。ちまたで一般的に言われる不満は、8ビットのDMAを1チャンネルしか使わない関係とCバス接続であり、その上にドライバで随分とウェイトをかけていることです。このためDVDのソフトウェア再生時はPCIの音源ボードに換えるとかなり改善するという話みたいです。 悪いところばかり書いててもあれですので、少し擁護しておくと、チップ自体の音はそんなに悪い音ではないと思います。
 後述する86音源のPCMはFIFO転送なためCPUの占有率が高く、マルチタスクなWindows環境下ではあまり使いたいものではありません。また、ノイズが増幅されやすい構造なんだそうです。
 そんなところでしたので、サウンド部(CMI8738)は私にとって最大の目玉でした。こいつのために2002年のサポート打ち切りか、というころにupgrade版のWindows98Second Editionを新品で買ってきました。ただのWindows98はWindows98DDKに「初版のWindows98ではオーディオ用ドライバに関してはWDMはまず動作しないからVxDを開発しろ。それならWindows95にも対応できて一石二鳥だろう」みたいなことが書いてあって、CMI8738のVxDはもとよりPC-9821では動作しない作りだし、動作する可能性のあるWDMも動作しません。んでそのWDMのドライバをSecond Editionで動かすと重いです(^_^;A。しかも時々暴走します。Rance5Dなんぞクリアまで何十回ハングアップしたことか。でもノイズがかなりましになったので、そこそこ満足でした。本当はもっとCPU負荷の低いチップがいいのですけどもね。YMF-754(YAMAHA)の供給を受けられなかったのが残念でなりません。これが載っていたなら10000円を切る値段まで暴落しなかったかもしれないんですがね。

USB2.0(μPD720100)

USB2.0(μPD720100)はインターフェース2003年3月号にもちょっと載っていますが、元があまり速くないです。その上、USBの規格(ポーリング動作)にドライバの出来もあいまってCPU負荷が異様に高いので、よほど適した使い方が無い限りEHCIのドライバを切って使うのが定石となっていまして、私もこれに倣いました。次期ChanponはNECの改良版のチップを使うんじゃないでしょうか。これに幾分期待したいと思っていますが、まあ、だめでしょうね。

ATA133RAIDPCI

まあ、BIOSは自分で作ったものですし、UDMA転送版で使ってます。ちなみに初期化やデバイススキャン速度はうちのほうが速い!とか位は宣伝してもOKでしょうね。

SATA2EI3-LPPCI

まあ、BIOSは自分で作ったものですし。チップはきわめてインテリジェントですからCPU負荷とかの面で改善が見込めたので置き換えました。これ、eSATAのポートがひとつ用意されていまして、Port Multiplierを介してHDDを外付けで沢山つなげるんですよね。HDDがWD740GDですから、結構体感では速くなったような気がします。

MIDI音源

以前まではLAPC-N(Roland)というLA音源ボードを使っていたのですが、DOSではまあよいとしてWindowsのゲームではあまりに貧弱でした(というか音が違うし)。一時WingrooveというソフトウェアMIDIも使っていて結構気に入っていたのですが、まず負荷の面でやはり外付け音源がほしいなと。それに、このころLAPC-Nは不調になっていて、時々音が出なくなったりなど、故障しかけていました。
 S-MPUIINはS-MPU/PCにあったようなPnPモードと非PnPモードの切り替えのためのジャンパというようなものが用意されておらず、DOS用ポイントイネーブラ(WIN31\SMPUENA.EXE)入りのFD(S-MPU IINアプリケーションfor Windowsという名前のやつ)付きのものとそうでないものがあって、前者はDOSゲーで使えるため、オークションでも結構な競争になり、それに対して後者はDOSゲーで利用できないため割とスルーでした。泥沼化するのを嫌う人や、繋ぐ音源がそれほどのスペックを必要としない人はS-MPU/PCやMPU-PC98IIを入手するのも十分選択肢としてありえるものでした。ある時、明らかに全然違うカテゴリに前者のものが出品されており、とりあえず2000円の値段をつけたのですが、終了3時間前になって突然せりが激しくなり最終的に5750円で落札したものです。しかしその時点では音源は持っていなかったのですが(^^;;
 ちなみにイネーブラの使い方は

SMPUENA.EXE -I6 -PE0D0

とします。これでMPU-PC98IIやS-MPU/PC互換のIRQ6(INT2)、IOポートE0D0h-E0DBhに設定され、昔の決め撃ちのゲームに対応できます。ただし、PCIセットアップによりIRQ6を予約しておかないと、これらのリソースが他のデバイスにとられてしまう可能性があるのでご注意。あと、使った後にメモリが開放されないのか、メインメモリ不足状態になりますので、HSBを併用しています。 Windows98ではWindows95のドライバで動作します。Windows2000では「Roland S-MPU 互換 Driver for NT 4.0 Version 0.8 (α版) (若浦 力さん作)」が動作しています。
 その後、寺町のJ&Pでミュージ郎V6(SC-8820モデル)が放出品として3万円で売られていましたので、衝動買いしてきて繋いでいます。初めて試聴してみて音質といい、音色といい、本当にいい買い物をしたと思いました。しかしSC-8820ってMIDI-IN端子が一個しかないんですね(つまり16パートしかS-MPUIIN経由では鳴らない!)。DOSゲーでは32パート使っているゲームは戯画とかくらいでかなり少ないですが、この点でSC-88Proの方が優秀だと思います。あとはエントリレベルの音源と高級モデルの音源の差というようなものもありますしね。私は聞き比べたことがありませんので分からないのですが、タイミングがSC-88Proの方が正確だとも聞きます。SC-8820はWindowsでは(Chanpon3の)USB接続なら32パートフルに鳴らせますので、Xv20の電源を切らずに楽に切り替えできます。DOSでは問題無く使えています。

86音源

Xpから移植してきました。

ストレージなど

Western Digitalが好きですので、WD2500JB(7200rpm)とWD300BB(5400rpm)WD740GD(10000rpm)を買って付けてあります。7200rpmのものは電力と熱のことを考えてとりあえず敬遠したいんですが、最近はそうも行かないようで・・・。でもWDは静かでいいです。FDDは一基増設して二基あります。たまたまSONYのFDDベゼルが手に入ったので、手持ちのベゼルもどきの黒いやつと交換してあります。

DVDコンボドライブAOPEN COM4824/AAHはちびちび使って、CD-Rを10枚くらいしか焼いてないのに、焼けなくなりました。現在読み専用です。AOPENのATAPI機器は2度と買わん(怒)。Xv20には松下寿のCD-ROMドライブが最初は載っていたので、懐古趣味的に松下のスーパーマルチドライブSW-9585を買いました。F/WアップデートでDVD-R DL対応とか言って。でも、バルク品はDL対応の造りをしてないとかいう、まことしやかな理由でDL対応のF/Wは当たりません。「またまたご冗談をw」と思ってたんですが、無理やりP102とかN100とかを当てたところDL非対応のB102のほうが良かったが元に戻れなくない、みたいな人柱も結構立ったようです。現在B102で様子見です。まあ、DLなんて当分メディアは安くならないから別に実害はないんですが、いかがなものかと。諸事情により詳しくは書きませんが、ある方からお世話になりまして、SW9585はバルクでも直接松下寿にいえばDL対応になるかも?なF/Wをもらえるようです。(DL選択可能F/Wで焼いてEW164Bで測定した場合ならこんな感じのようで。optodiskですが悪くない感じです。)ただ、-RのDLが確実に動くかが保証できないそうですが。CD-Rがらみでうまく動かなかくなったことがあったためてっきり故障と思って、NEC ND4551Aに置き換えてしまいました。こちらはファーム周りで色々あって、かなり楽しめるドライブだと思います。怪しげなメディアも何とかしますしDVD-RAMも使えますし。

リソース節約のため、シリアル、パラレルは全部切ってあります。

装備の変遷

項目標準現在
CPUPentium200MHz(P54C)K6-IIIE+550MHz@533MHz
2ndCache256KB256KB
RAM32MB128MB
PCIスロット#1PC-9821X-B03 VRAM4MB版(NEC)GA-S2K32PCI(I-O DATA)
PCIスロット#2(空き)SATA2EI3-LPPCI(玄人志向)
PCIスロット#3(空き)Chanpon3(玄人志向)
Cバススロット#1(空き)Chanpon3用ブラケット
Cバススロット#2(空き)PC-9801-86(NEC)
Cバススロット#3(空き)S-MPUIIN(Roland)
Cバススロット#4(空き)(空き)
Cバススロット#?MATE-X PCMMATE-X PCM
ストレージ機器 3.5'FDDx1
3GB HDD(IDE)
8倍速CD-ROMドライブ
3.5'FDDx2
WD740GD(10000rpm SATA)
WD2500JB(250GB IDE HDD)
NEC ND4551A

注釈

VC++ 6.0の推奨用件
必要用件はPentium CPU搭載、メモリ32MB以上、HDD 標準インストールで290MBと、PC-9821XpのデフォルトであるCPU i486DX4/100MHz、メモリ 8MB、HDD 340MBではものすごく厳しい(P5-60MHzよりは速いけども)。プログラミングに使っていた当時はCPU Am5x86/133MHz、メモリ48MB、HDD 2.0GB+1.2GBで、推奨用件であるPentium 90MHz以上、メモリ64MB以上にやはり届かずかなり厳しかった。
Power NOW!
K6-2E+及びK6-IIIE+は元々モバイル用として設計されたCPUなため、消費電力を抑えることが出来るようにソフトウェアからコア電圧や動作周波数が動的に変化させられるような機構を備える。