DEGEN DE13の改造


DEGEN DE13

DE13の箱に入っているものいわゆる防災ラジオ、手回しラジオなオーム電機 RAD-V963NのOEM元製品と言われている、DEGEN DE13です。写真は中身一式です。他社製品と比べてあれこれできる優れものです。コンセプト的には賞賛をあびる優れた一台という感じですが、手を加えればもうちょい使い勝手を良くできるものだと思います。ソーラーパネルつきというのがなかなか痒いところに手が届く仕様です。

できれば国内仕様のRAD-V963Nを買いたかったのですが、2011年5月現在、出遅れたので通販ではどこでも手に入りませんでした。実店舗も回りましたがありません。供給される様子もありません。実家が東北でそこそこ急ぐので、DE13を買って改造すればいいやと1台は実家用、1台は自分の普段用、1台は実験用の計3台を買いました。チャイナモールで3台5800円、送料1500円で一台あたり2500円弱ぐらい、届くまで10日あまりです。

仕様

電源周り

電灯等選択スイッチ周り

ラジオ周波数(電灯と同時動作可能)

RAD-V963Nとの比較

DE13本体2chのスレが引用元です。とりあえず、FM放送が国内放送の一部しか聞けません。ここだけでも改善できればRAD-V963N以外の他防災ラジオと比べて機能的には優位と思います。3.9MHzのラジオ日経は聴けません。また、電源用のケーブルは充電用のUSBケーブルだけで携帯電話用のものはついてきません。100円ショップなどで入手する必要があります。私はiCHARGE Eco DXに付属する一式で間に合わせています。

周波数DE13RAD963N
FM87-108MHz76-90MHz
MW520-1710kHz530-1610kHz
SW15.8-10.0MHz3.8-6.6MHz
SW211.6-18.2MHz9.4-15.5MHz

改造によって実現したいこと

改造するからには元のRAD963Vを超える性能を出したいもんです。

ラジオ部分の改造

FM周波数変更(日本向け改造)

単4電池BOXから充電池接続コネクタを引き出す4連ポリバリコン共通端子とFM周波数用トリマの間に10pFのセラコンを追加します。これだと少し容量不足なので、その側のトリマを弄って同調周波数が極力下の方まで取れるようにします。(大阪ではFM cocoloの76.5MHzが聞ける程度にすれば良いんですが・・・)

FM選択時にL2バイパス

L2バイパスFM選択時、本来もっと上の周波数に出てくるはずのTV2chやNHK-FM(88.1MHz)などの強い信号がFM802に被ってきます(以下,お化け)。これは短波・中波選択時のみ導通となるはずのL2を切り離すことで改善します。よって、変な共振を抑制するためにジャンパを飛ばしてL2に流れる電流をFM選択時のみバイパスします。(ジャンパが長くなってるのはあちこち付け直すことを考えてのことで深い意味はありません。)よく分かりませんが、FM選択時のみ左のトランジスタをOFFにできるとありがたいのですがね。

SW1周波数変更(日経三波対応)

コンデンサとスイッチをSW1の同調回路に並列接続する低い周波数帯で同調させるために150pF-180pFのコンデンサを追加します。場所は青IFTの裏のセラコンと並列です。元の2波と両方聞けるようにしたいので、セラコンはスイッチで並列接続ON/OFFします。電気的には特に難しくないのですが、部品配置上、スイッチの置き場所はかなり難しいです。幸い接続するべき場所は部品実装面からアクセスできます。写真に示す波段選択スイッチ側のセラコンの足のボリュームに近いほうと青IFTのシャーシがそれぞれ裏面の該当部位と短絡しているので、そこにジャンパを飛ばして小型のスイッチまで引いてきます。

ケースにスイッチを取り付ける場所そうしてスイッチとコンデンサは表側に出してきましたが、ここでさえチューニングの歯車と櫛?が干渉するため、セラコンとジャンパがぶつかったりショートしたりしないよううまいことパネルがわに寝せて配置します。これでうちのは真夜中に3.2MHzの「北朝鮮 朝鮮の声」から夕暮れ時に3.9MHzラジオ日経に、5MHzの標準電波が聞こえるようになりました。低周波数帯特有のざわざわ言う音やCWの混信等聞こえてくればうまく行ってるはずです。いきなり静かになったりした場合配線がスイッチ等と接触している可能性があります。

単4充電池を充電池として使う改造

充電池交換可能性

充電池には寿命があります。消耗品です。必要なときに死んでいる、と困る。過放電にならない程度にたまにまわしてあげるのがいいんじゃないでしょうか。中華他社製のラジオライトには小さいよくわからない充電池がぐちゃぐちゃの配線の中に内蔵されていて交換不可能ということもあります。しかしこのDE-13はコードレス電話子機の充電池を流用可能です。ていうか、改造すればもともとついてる単4電池のところで充電可能です。

コードレス電話の充電池を流用

SHARPの子機は単4が3本の組電池で、コネクタも同一で極性が逆です。これはぎりぎり入りません。ROWAのCT-デンチパック-064(RO-025)が2/3AAより少し小さく、極性を入れ替えたら使えました。コネクタの金属部分は爪で引っかかっているだけなので、押さえて引き抜いて入れ替えが可能です。

充電回路の引き出し

単3電池充電用ぶっちゃけ、内蔵充電池と乾電池との取り扱いの違いは、充電されるかどうかだけで、回路に直結されています。詳しくいうと、-極は常時0Ωで導通しています。+極も電源選択スイッチの根元まで0Ωで導通しています。そして内蔵充電池は単52/3AAが3本で普通のNiMH組電池であり、電池BOXの電池は単4電池3本で動作電圧も一緒です。ということは、内蔵充電池の+極と単4電池の+極を直結すれば、単4充電池を3本電池BOXに突っ込んだときに充電池として使えそうです。ただし、通常のアルカリ電池に充電しないことと、内蔵充電池と単4電池で電流をやり取りしないように工夫する必要があります。また、結線を間違えると、電池がGND直結になるので要注意です。

単4電池BOXから充電池接続コネクタを引き出す私はフールプルーフを兼ねて写真のようコネクタに単4電池+極を引き出してきました。コネクタはZL2504-2PSという型番のもので、寺町と日本橋のマルツで30円でした。内蔵充電池を外してコネクタをつけて初めて単4充電池を充電池として使えるという改造です。なお、当然ながらこのときは内蔵充電池、単4電池どちらを選んでも同じ動作になります。充電池のふたをカチッとはめるつめのところにコネクタを通せる穴があり、充電池接続状態でもコネクタを保持できるだけの空間があるので穴をあけたりせずに改造可能です。

単3電池充電用3連の電池ボックスに同じコネクタを繋いで単3用ソーラー充電器w。

太陽光発電の効率向上

D35短絡R116開放

充電回路(パターンを追って確認したところでは)電源OFF状態でもそれなりの太陽光下ではソーラーで充電池にびみょーに充電されるため、過放電による電池の死亡を気にしなくていいです。惜しむらくは中華製というとこで、詰めが甘いとこです。発電電圧が充電池電圧を下回っていてもCHAの緑LEDが光ります。ことソーラーに関しては単なる飾りどころか電力の無駄ですね。充電池でこれを光らせないためにソーラーパネルから充電池の間に直列にD35のショットキーバリアダイオードが1本余分に入っています。また、CHA LEDに電流を横取りされます。そこで、R116を撤去開放に加え、充電池傍のD35両端を短絡することでCHAの緑LEDがUSBからの充電時以外光らなくなる代わりに、より少ない光量でソーラー充電可能となると考えます。

ソーラーパネル外部出力は可能?

ソーラーパネルが非力でしかもUSB端子までの間に電圧制限の回路が直列に入っており電圧降下がひどいので外部へ出力するのは断念。シャントであればこの電圧降下はなかったんでしょうけどね。

ラジオのソーラー駆動

未改造の本体がないので、この改造の結果かは分かりませんが、電池が消耗してFM放送が復調できないときや、充電池・電池なしのときに充電池を電源に選んで窓ガラス越しの直射日光でソーラー駆動でFM放送が聴けます。電灯では非力なんで無理ですけど・・・。早い話電池を消耗せず、あるいは充電しながらラジオを鳴らせます。

注意点

この改造をすると、ラジオやライトの電源OFF時にソーラーやダイナモの出力が流れる先は充電池しかなくなります。ソーラーはともかく、充電池なしでダイナモをあほみたいに回すと過電圧が生じて回路を破損する恐れが否定できないです。気になるならLEDのところにでかい抵抗でもおいておいたら良いんでしょうが、充電池を常時接続してフローティングすると言うのが解決策としてよりお勧めです。

トラブル

電線が細く短い

電線が細く短い(ケチってる?)のでぶちぶち切れます。分解の際、かなり注意して外さないといけません。アジの開きみたいに真っ二つに割る程度の余裕もありません。表面を弄る場合はじめからソーラーと手回し発電、電池の線は外しておいたほうがよさげです。

アセンブル困難

電源選択と周波数選択のスイッチを元通りはめるのがコツがあってなかなか難しいです。最初に作ってる連中はどうやって組み上げてるんでしょうかね。もっとも、可変インダクタを弄らないなら筐体裏を外すだけで十分ですが。

イメージが見える

TV 2chやNHK FMの音声がFM802の近傍に出るとか、FM大阪がFM cocoloの上に出てくるとかです。このお化けのでる周波数には個体差があります。

不満点

バッテリの充電状態が分かりません。まあこれについてはLEDライトが光らなければかなり放電している(負荷時3V以下)ということで充電しないと電池にやさしくないと判断できますが。USBからバッテリーを充電する場合、抵抗とダイオードを介して直結しているだけで満充電で充電終了する機構がありません。繋ぎっぱなし放置は過充電の恐れがあり危険と思われます。充電器側にタイマーが欲しいところです。NiMH電池でメモリー効果ありの上ソーラーや手回しで間欠充電が前提ということで、ある程度は致し方ないところなんでしょうが・・・。

FM復調時に電力食いすぎじゃないか?っていうか何でFM放送の復調で3V以上いるんだ?

日本向け改造で試行錯誤

ある種日記です。量が増えてきたのでこちらのページでは結論的なものにとどめ、実験的なものはDEGEN DE13の改造で試行錯誤に移しました。興味があれば読んでください。


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