DEGEN DE13の改造で試行錯誤


ある種日記です。量が増えてきたので実験的なもの、検証的なものはこちらのページに書きます。

全波共通事項

微調整

AM、SW1、SW2の同調周波数についてはDE13の基板に示したようにIFTの可変インダクタを弄ることで周波数変更が可能、細かい調整はポリバリコン裏面のトリマで可能ぽいです。こちらは注釈抜きのDE13基板です。オレンジの可変インダクタを弄るとFMの出力に影響が出ます。ただ、折角いい感じに調整しても筐体に組みなおすとずれます。RF gainかその中心周波数の微調節か何かなのかな?他周波数の復調時と音声の信号強度を揃えるだけだったらわざわざインダクタ使わないですよね。

波段選択スイッチの動作確認

やっぱスイッチの動作が分からないと気持ち悪いので基板から外して調べました。組み直す時に4隅のシャーシのパターンがはげました。動作には問題ないのですが、萎え。それはともかく、基板から外して確認したAM、FM、SW1、SW2を切り替える波段選択スイッチの動作です。6pinずつ4連のスイッチになっていて1つ飛んだ2端子を左右させてショートする動作になります。真ん中の2つの端子(片方は足が切り詰められている)は共通端子で常時短絡です。あーすっきりした。

回路構成

電源+極のパターンでラジオ用の回路とLED&サイレン用の発振回路が分断されています。電源スイッチ下側が発振回路になっていて、赤LED点滅およびサイレンで共用しています。

FM周波数変更関係

FM周波数帯のシフト

FM放送については国内のFM放送の周波数が諸外国と違うため?アナログTV放送の音声と一部のFM放送しか聴けません。パターンを追っていって絞り込もうとしたのですがトランスやコイルがテスタでは直流ではショートなので、ある程度やったら行き詰まりました。仕方ないので4連ポリバリコン端子のうち、FM放送復調時に触ったら周波数がずれるような端子を探してみたところ、1個だけありました。その側のトリマを動かしたところ、周波数が動きます。ただし、下限付近でせいぜいFM大阪(85.1MHz)が聞こえる程度、つまり2MHz程度しか動かず、トリマの調整だけで国内放送の周波数に合わせるには容量不足と考えられます。そこで、そのポリバリコンに容量を増設しようとしました。ポリバリコンの容量レンジはせいぜい100pFくらい、ということでとりあえず手持ちの1pF、30pF、50pFを増設してみたところ1pFでやや周波数帯が下に下がりました。30pFでは受信できないので10pFを買ってきてくっつけてトリマを下が聴けるよう目一杯回したところ、うまいことFM COCOLO(76.5MHz)が受信できたのでちょうどこのくらいがよいみたいです。

FMの混信問題

うち(北摂の鉄骨造のアパート)はFM cocolo(76.5MHz)、FM802(80.2MHz)、FM大阪(85.1MHz)、NHK FM(88.1MHz)の4波が入ります。そのうちFM802の信号が弱めで、ずっと高周波数にあるTV 2ch音声とFM大阪が被ってきます。これは別のラジオ(オーム電機の電池式短波ラジオRAD-S311N)では見られない現象です。よって、改造に起因する問題かそもそも中国では顕在化しなかった問題と考えます。簡単に調整できそうなところとして、オレンジのインダクタを弄ると若干お化けとの比が改善するように見えますが、これでは全然いかん・・・。まず、部品の半田付けが結構適当ぽく見えるので、無駄に長い足を切って部品付け直しとかしたところ、若干よくなったような気がします。ただ、根本的問題がまだありそうです。ふと見るとアンテナ同調部に繋がるL2,L3,L4と、何でインダクタを平行になるようにしかも近接して縦に並べてるんだ・・・。見るからに気持ち悪いですねえ。そこで、L2をFM選択時に触るとお化けが低減します。L2を撤去するともちろん短波は聴けなくなりますが、お化けは消えます。どうもL2に電流が流れることでFMの周波数帯にお化けが発生しているようです。L2と他のインダクタとの磁気結合だとすると裏面に付け直すとか、寝せてつけるとかで改善しそうですが、これはうまくいきませんでした。パターン上FM選択時にはL2の先はどこかに繋がっているわけでもないので、どん詰まり、回路切り離しという設計なのでしょうが、スイッチ周りに寄生容量があって、どん詰まりになってない?だとすればFM選択時に切り離す、つまり0.33μHのインダクタをもう一本買って、SW1とSW2のピンと可変インダクタの間をパターンカットしてインダクタとの間に入れるという対応が考えられます。ただ、L2に電流を流さないように、単純にL2アンテナ側とFM選択のピンにジャンパを飛ばして電流をバイパスさせれば変な共振はなくなるはず、ということで試して見たところ、そこそこ改善しました。後でアンテナ側(入力側)の端子を触って調べてみるとJ8と書かれたトランジスタが2つあり短波用とFM用で使い分けられているようです。よく分かりませんが、波段スイッチFM選択時に短波のトランジスタが無入力になって眠る設計のはずが、そうならずにL2から先の寄生容量等により入力があって悪さをしている、ということなんですかね。根本的にはFM選択時に短波RF増幅用のトランジスタを眠らせる処置が望ましいところです。

短波の周波数変更

青のIFTがSW1用なわけで、真裏のチップコンデンサと並列にセラコン追加で容量を増設します。6MHzのラジオ日経が30pFのセラミックコンデンサ追加で約1MHz、50pFのセラコン追加で約2MHz上の目盛りで聞こえるようになります。ところがこの二つ合計80pFを追加しても3.9MHzのラジオ日経が聞こえる気配がありません。80pFを除いて120pFトリマコンデンサを追加して回していくと時報のようなものが聞こえるのでぐぐってみたところ、5MHzの標準電波のようです。そこで、これをできるだけ上の方に聞こえるように回していったところ、同調周波数下限ぎりぎり付近で3.9MHzのラジオ日経が聞こえます。個体差が出そうなので、120pFに加えて50pF追加で大体真ん中付近で3.9MHzのラジオ日経が聞こえるようになりました。同調周波数下のほうでは北の国からの放送くさいものが聞こえるのでぐぐってみると「北朝鮮 朝鮮の声」らしいです。ということで、結論としては120pF-170pF程度のコンデンサ並列接続で3.2MHz〜5.8MHzに同調させることができます。まあ、もちろんアンテナの共振周波数とかは全然弄ってないので性能を引き出すにはまだまだでしょうが。このコンデンサをスイッチで入れたり外したりしたいわけですが、どこから引き出したもんか・・・。基板に穴あけて表面に引き出すのがいいんでしょうかね。

電源関係

充電回路

夕方とか、光量不足でソーラーの開放電圧3.0V前後で充電池の端子電圧より低いとき、すなわち全然充電されない状況でもCHAランプが点きます。ソーラーパネル自体は逆流防止のダイオードを挟んでも蛍光灯至近距離で5V出るので定格不足ということは無いでしょうが、NiMH充電池の開放電圧が4Vくらいなので内部抵抗を考えると凄く余裕があると言うわけではないですね。R116がダイナモとソーラーで共用する緑LEDの電流制限用の抵抗なんですが、あんまり低い電圧で光っても仕方ないので1kΩより大きくしたほうが良くないか?これではダイナモあるいはソーラーの出力が緑ダイオードの電圧(2.4V)より高いか程度だけしか分からずチャージの目安にならないし、充電できるかできないかのぎりぎりのところで電流を横取りされて充電池両端の電圧が下がるのも腹立つので取っ払っいました。ただ、高電圧時に電池の保護みたいな役割はあるかもしれません。(ちなみにUSBからの充電の場合は上記回路図にあるようにR115経由なので、CHAランプはR116撤去後でも点きます。)

充電池傍のD35は充電池からCHA LEDへ電流を流さないためのダイオードと推定されますが、充電時に順方向電圧降下の原因となるので両端をショートします。このダイオードはR116を除いてしまえばCHA LEDへの電流阻止という意味では必要ありません。1N5817(ショットキーバリアダイオード)1個あたりの順方向電圧降下が100mAで0.37Vということで、これを1個バイパスすると充電できる光量の閾値が低くなる、日光浴の場合充電可能な時間帯が長くなるメリットがあると考えられます。なお、ソーラーパネル自体に逆流防止が必要ですが、D35の他にすでに1個あるので不要と考えられます。(もっともUSB充電時アホみたいな電圧がかかった際の逆流にはD35も意味があるかも知れませんが。)

ソーラーから携帯電話を直接充電できないか?

公式の仕様ではソーラーから携帯電話に充電できるということになっていません。しかし、実はD35短絡R116開放時に上限4Vくらいのびみょーな開放電圧が光に反応してUSB端子に出力されます。Docomo N905iを充電しようとするとびみょーにN905iの充電ランプが点きます。この電圧は早朝に条件をそろえてD35短絡R116開放済み、未改造で比較したときに、開放電圧といっていいか知りませんが、テスタの10VレンジでD35短絡R116開放済みで2.6V、未改造では1.7V程度だったため、D35短絡R116開放改造の影響を受けます。ソーラーパネルは1N5817を介していても5Vまで出せるので、1V程度どこかでロスがあるということになります。その候補として、出力までの間にある電圧降下しそうなものは、基板の中で一番大きいトランジスタS8050だけです。S8050は6Vのツェナーダイオードが繋がっており、ダイナモの電圧制限をしていると推定されます。そして、その側にUSB出力端子に直結している空きランドがあります。何か設計変更があったのでしょう。ここへソーラーの+端子を1N5817を介して引っ張ってきたらソーラーから5V出して携帯電話をソーラー充電できそうですが、逆電圧がかかってトランジスタが死ぬんじゃないかとか、ダイナモで6Vクリップされなくなるよねとか色々問題点があるので、次パーツが手に入ったら検討の予定です。

バッテリー消耗時の動作検証

充電池両端の電圧がラジオ選択時負荷がある状態で2.0V程度まで下がってきてもFMラジオは鳴ります。そら普通のラジオって電池2本でも鳴りますわな。白色LEDと赤色LED警戒灯?は3Vを切ると使えなくなります。一応確認ですが、同じ充電状態の電池でもラジオの方が消費電力がでかいため、白色LEDのみONのときに3.3V出ていて光っていても、イヤホンを使用したラジオのみONのときに2.0V程度まで下がります。このとき無負荷で3.5V程度です。ということは、ソーラー出力が3Vに満たない受光状況でも、ラジオON時にソーラーから2V以上出せる場合、フローティングと同じような効果はあるかもしれません。同時にONにするとラジオが電流を消費して充電池両端の電圧が下がり、白色LEDは光らなくなります。電源の赤LEDが消えかけでもかろうじてイヤホンで聴けます。ラジオのICへの電源はコイルを介して充電池両端3.6Vが直結で、0ΩのJ5を介しているので、ここを切り離して単4充電池3本中2本目2.4V出る+極と繋げば若干消費電力が減るかもしれません。というのでやってみたところ、NiMH充電池×2本では電圧降下が激しいのか音が鳴りませんでした。ちなみにラジオが鳴らないくらいまで充電池が消費したときには、手回し1回転で10秒くらいラジオが鳴ります。現実的にはこれで用が足りるといってよいのではないかと思います。


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